第3回 「フリーザ様の惑星売買」
フリーザ様は、部下をいろいろな惑星に派遣してそこの知的生命体を根絶やしにして自分のものとし、第三者に売却するというビジネスをしています。
惑星はタダで手に入れる訳ですが、この利益率100%(!)のビジネスに対する税金はどうなるのでしょうか。
作中では、明確に法人形態としてのビジネスの描写がないため、個人でのビジネスとして捉えていきます。
1.通常の譲渡所得の場合
個人で不動産売買を行った場合、通常は「分離課税」という所得区分になります。
譲渡益に対して、最大39.63%の税金がかかります。(保有期間5年以上であれば20.315%ですが、フリーザ様のビジネスの性質上考えにくいです。)
[譲渡益]=[売却代金]-[取得費]-[譲渡費用]
当然ながら、取得費も譲渡費用もほとんどかかっていないため、売却代金に対してフルに税金がかかります。
2.反復・継続して行う場合
反復・継続してビジネスを行う場合には、事業所得という所得区分になります。
譲渡益の計算は譲渡所得の場合と同じです。但し、事業所得の場合には通常の会社と同じく、部下の給料・球体の乗り物の減価償却費・戦闘服の購入費用などが経費にできます。
また、青色申告を行っている場合には、複式簿記により記帳すれば65万円の特別控除を受けることもできます。
3.共通の税金
① 消費税
惑星(土地)の売却には消費税はかかりませんが、土地の上にある建物や構築物(港や駐車場)に対しては消費税がかかります。
② 登録免許税
土地の所有者を変更した場合には、土地・建物ともに[固定資産税評価額]×2%の登録免許税がかかります。司法書士に登記を依頼した場合には、別途報酬が発生します。
但し、不動産業者の中間登記の場合には、省略することもできます。
③ 不動産取得税
相続以外の原因で土地を取得した場合には、不動産取得税がかかります。
土地は[固定資産税評価額]×1.5%、事業用の建物は[固定資産税評価額]×4%、その他の建物は[固定資産税評価額]×3%です。
◆実際は
個人で不動産売買を行う場合には、多額の税金が発生する場合があります。また、今回の事例では触れていませんが売却損が出る場合には、損益通算の制限があるため損失が切捨てとなってしまうこともあります。
一定の規模以上であれば、不動産売買も法人で行うと税金上のメリットを受けられます。
譲渡益に対する課税が大きく譲渡損が相殺できないという点では、株式の売買も同様です。
株式の売買も法人で行った方が有利な場合が多いです。
※このコラムは、作成時の法令等に基づいて作成されています。今後の法令改正等により実情とそぐわなくなる場合がありますのでご了承ください。また、登場する取引等は明らかに外国人等により国外・地球外に於いて行われている場合がありますが、原則として全て日本国籍を持つ人間・内国法人等が行う日本国内の取引と仮定しております。なお、登場する人物・組織はしばしばスピード違反・詐欺・強盗・殺人などを行うことがありますが、弊社がこれらの違法行為を推奨・保障するものではありません。